むし歯の治療は歯が痛くなってからするものだと思っていませんか？
初期の小さなむし歯は、神経から離れているのであまり痛みを感じません。
強い痛みを感じる頃には、神経に達するほど大きくなっている可能性があります。
では、神経に達するほどに大きくなったむし歯は、どのように治療するのでしょうか？
今回は程度の重いむし歯の治療について、お話しします。
程度の重いむし歯とは、神経まで達してしまったむし歯のことを表します。
もしも神経までむし歯が達してしまった場合、むし歯に感染した神経を全部取り除く治療が必要です。
神経を取り除く治療は、時間や回数がかかることが多いのですが、それにはきちんと理由があります。
歯の神経は、木の根っこのように、細く曲がりくねった管の中を通っています。
歯を削る器具では感染した神経をしっかりと取り除くことができないため、専用の細い針のような器具で丁寧に掻き出し、消毒していきます。
神経をきちんと取り除いておかないと、のちに痛みがでたり化膿したりすることもあるので、時間をかけてしっかりと清掃・消毒することが大切です。
きちんと取り除いた後は、仕上げのお薬を詰めて、蓋をします。
治療箇所のレントゲンをとり、問題なければ噛めるようにしていきます。
再び噛めるようにするには、土台を立て、型取りをして被せ物を作らなければいけません。
型取りをしてすぐセットできるわけではなく、被せ物の完成には日数がかかります。
被せ物が完成したら、再度来院して被せ物をセットし、治療は終了です。
小さなむし歯と比べると、治療にかかる回数も圧倒的に多くなりますが、面倒だと思わずに最後まで治療をすることを強くおすすめします！
なぜなら、むし歯をさらに放置すると、歯を残すことが難しくなってしまうからです。
被せ物ができるのは、土台を立てられるくらい歯が残っている場合に限ります。
土台を立てることが難しい場合、残念ながら抜歯となります。
抜歯した場合は、なんらかのかたちで失った歯を補っていきます。
入れ歯やブリッジ、インプラントなど噛む能力を回復する治療はいくつか種類がありますが、天然の歯と比べると不自由さを感じられる方が多いです。
大きなむし歯でも、できる限り残すよう治療をしていくのが、現在の歯科治療です。
むし歯で歯を抜くのは最終手段ですから、少しでも違和感を感じたり、むし歯を疑う場合は、放置せずに早めに歯科でチェックしてもらいましょう。
