虫歯が深くて歯の神経を抜いたけど、治療すればもう痛んだり虫歯にならないよね？
このように、歯を抜いたわけじゃないし、治療したからもう安心！
と思っている方もいらっしゃると思います。
しかし歯の神経の役割や、神経を抜いた歯は、健康な歯とどんな違いがあるのかご存じでしょうか？
歯の神経の役割
歯の神経には、血管が通っていて、歯に栄養を届ける役割をしています。
しっかりと栄養が行き届いていることで、丈夫な歯が維持できているのです。
そして神経があることによって、痛みを知らせてくれます。
冷たいものを食べた時にキーンとしみたり、虫歯になった時にズキズキと痛みを感じるのも、この神経があるからです。
歯の神経を抜いた歯はどうなる？
歯の神経を抜くことによって、歯に栄養が行き届かなくなります。
栄養が行き届かなくなると、歯がもろくなります。
神経のない歯は、濃く変色もします。
まさに枯れ葉のような状態ですね。
そして歯がもろくなることによって、欠けたり歯の根が割れたりするリスクがあります。
実は神経がない歯も虫歯になりますが、痛みを感じないために気がつかずに虫歯が進行していきます。
さらに、細菌に感染しやすくなるので、歯の根が膿んだり、歯ぐきが腫れて痛みが出ます。
歯の神経を抜いたのに痛みが出る原因は、細菌感染や歯の根が折れることによる痛みがほとんどです。
神経を抜いた歯は、健康な歯に比べると10年も寿命が短くなるといわれています。
つまり、歯を抜く一歩手前の状態です。
歯の神経を抜く原因は？
歯の神経を抜く原因の一つ目は、虫歯が深いことです。
きっと痛みが出て我慢できなくなってから、歯科医院を受診する方も多いですよね。
痛くなってからだと、虫歯が神経まで達している場合も多いです。
基本的に虫歯が神経にまで達してしまうと、神経を抜かざるを得ないのです。
そのため、なるべく虫歯が大きくならないうちに治療することが大切です。
そして一度治療した歯は、健康な歯に比べると虫歯が再発しやすいです。
虫歯の治療は何回もできるわけではなく、平均すると5回までしかできないといわれています。
虫歯が再発するたびに歯を削ることになるからです。
歯の神経を抜く原因の二つ目は、知覚過敏です。
歯ぎしりやくいしばり、強い歯磨きによる重度の知覚過敏の場合です。
軽度から中度の知覚過敏の場合は、薬を塗って知覚過敏用の歯磨き粉を使用し、様子をみることがほとんどですが、日常生活に支障が出るほどの知覚過敏では、神経を抜くことを検討する場合もあります。
その他、事故などで歯をぶつけて折ってしまった場合なども、神経を抜くことがあります。
歯の神経治療は時間がかかる
歯の神経を抜いてからの治療は、時間がかかります。
痛みからも解放され、早く治療が終わってほしいところですが、歯の根をしっかり消毒、洗浄する「根管治療」というものをしなければなりません。
そこからさらに土台を入れて歯を補強し、最後に被せ物をします。
平均すると2〜3ヶ月ほどかかる場合もありますが、根気よく通い続ける必要があります。
虫歯が大きければ大きいほど、治療回数や期間もかかります。
ここで治療を中断してしまうと、さらに歯の寿命はどんどん短くなっていきます。
定期的なメンテナンスが大切
なによりも虫歯にならないように予防をすることが大切です。
メンテナンスでは、自分では気がつかない虫歯や歯周病などが検査でわかります。
痛みや症状がなくても、3ヶ月から6ヶ月の受診がおすすめです。
そして少しでも歯に違和感があったら、我慢できなくなる前に、すぐに歯科医院を受診するようにしてください。
歯科医院では、神経がない歯の本数や場所、今後のリスクなども教えてくれますので、歯科医師や歯科衛生士に気軽に相談してみてくださいね。
