<抜髄はどんな治療をするの? 治療回数は?>
では、神経を抜く「抜髄(ばつずい)」は
一体どうやって治療するのでしょう?
神経を抜くと聞くと、とても怖い治療のような気がしますね。
痛いのかな?
すぐに終わるのかな?
いろいろと不安に思うことが出てきますね。
それでは、抜髄とはどんな治療をするのか、簡単にお話ししますね。
抜髄とは、虫歯が歯の神経まで到達してしまっていた場合や、
強すぎる噛み合わせや知覚過敏により、歯髄に炎症が起こってしまい
治らない場合の処置として行う治療で、簡単に言うと、
「歯の神経を取ってしまう治療」です。
治療法としては、虫歯の場合は
まず歯の虫歯部分を取り除きます。
以下からは、虫歯以外が原因であっても同じです。
①歯の中を歯の中心を通っている歯髄と言われる部分を取り除き、消毒する
(根管治療と言います)
②空洞になった歯髄の部分に、専用の薬品を詰め、充填する
③歯の被せ物を出来るようにする為に、歯の土台を作る
④作った土台に被せ物をする
簡単に言うと以上の工程で、治療は行われます。
しかし、実際の治療はこんなに、簡単には進みません。
まず①根管治療ですが、
歯髄とは、そんなに簡単に取り除けないものです。
また歯髄が感染している状態なので、それを消毒し綺麗な状態にしていくので、
一度に完全に出来るわけではありません。
なので、この治療だけでも必要に応じて、何度も通院が必要となります。
しかし、治療される側としては、根管治療は、治療の中でも特に進捗が分かりづらいうえ、治療1回あたりの時間が数分と短時間で済む場合が多く、
数分間の治療をしては終わり、また後日通院しなければならない
と言うことが多いです。
ですので、
「本当に治療は進んでいるの?」
「無駄に治療回数を稼いで、治療費を請求されているんじゃないか?」
などと疑問に感じられることが多く、治療が④の被せ物をかぶせて、終了!
となる前に、中断して、通院を止めてしまう場合が多くあります。
しかし、先ほどもお話ししたように、
歯髄と言うのは、そう簡単には綺麗に消毒し、取り切ることはできませんので、少しずつ、薬を交換して、消毒してというのを繰り返し行うことでしか、
できないことでもあるのです。
抜髄は、小さな虫歯のように、一度歯医者に行くだけで、削って詰めて
はい、治った!という単純なものではありません。
何度も歯医者に通院することは、楽しいことではなく、心折れそうになるかもしれません。
<歯の神経って何? 神経を抜くとは?>
そもそも歯の神経とは、なんでしょう?
歯にも神経ってあるんだ!と思われましたか?
そうなんです。歯にも神経はあるんです。
歯はエナメル質、象牙質など様々な組織から成り立っていますが、
その一つ、歯の中心を神経が通っている組織があります。
それを歯髄と言います。
「神経を抜く」と言われますが、正しくは、この歯髄を取り除く事を指し、
これを「抜髄(ばつずい)」と言います。
実は歯髄は、神経だけではありません。
歯髄には血管もあり、この血管を使って、歯に必要な栄養を送る働きを
しています。
それに、虫歯の細菌が歯の内部に入ろうとした時に、それを入ってこないように防ごうとする働きをし、歯にとって、とても大事なものだと言うことが
分かってもらえるかと思います。
そして、この歯髄が主に歯の痛みを感じる役割を持っています。
では、虫歯だと思って歯医者に行って、
「神経を抜きましょう」
とい言われた時、
「虫歯じゃないの?」
と思われるのではないでしょうか?
虫歯の治療のイメージは、「削って詰めて、出来上がり!」のはず。
この中に、どこにも「神経を抜く」なんて言葉は入ってない!?
と言うことは、神経を抜くのと虫歯とは別物なのでしょうか?
実は、神経を抜く「抜髄する」と言うことも、虫歯治療のうちの一つです。
虫歯治療で抜髄になる場合、虫歯が大きく、エナメル質や象牙質だけではなく、最近が歯髄にまで到達してしまっていたという状態です。
しかし、抜髄するのは、虫歯だけが原因ではありません。
では、他には、どういった原因で、抜髄することになるのでしょう。
一つには、咬み合わせの問題です。
被せ物をした歯が、咬み合わせが高くて、咬みあわせる対の歯と、
よく当たってしまい、歯髄に刺激が伝わり、それが続くと歯髄炎になります。
二つめは、知覚過敏によるものです。
こちらも、知覚過敏による歯髄への刺激が続くと歯髄炎となります。
そして、歯髄炎は歯痛を引き起こします。
この歯痛をなくす為には、炎症を引かせるため抜髄が必要になります。
このように、
・虫歯が大きく歯髄にまで虫歯細菌が到達してしまっている
- 咬み合わせによる、歯髄炎
- 知覚過敏による、歯髄炎
この3つが、主な抜髄に至る原因です。
また、この状態を放置していると、歯髄が壊死してしまうので、
感染根管治療と言う処置が必要になりますが、これも抜髄と同様、歯髄を取り除くものです。
「神経を抜く」と言われると怖く聞こえますが、必要な処置なのであれば、
早めに治療してもらうことをオススメします。