「治療する前までは痛くなかった歯が治療したら痛くなった」という経験はないでしょうか?
「痛みが出るなら治療しなければよかった?」「不要に歯を削られた?」と不安に感じてしまいますよね。
しかし、必ずしも歯の状態は「痛いから悪い・痛くないから悪くない」というわけではありません。
今回は、痛くなかった歯が治療してから痛くなる原因について解説します。
虫歯なのに痛みがないのはなぜ?
全く症状がない歯なのに、虫歯で治療が必要だと診断されることも多いです。
そもそも虫歯なのに症状が出ないのはなぜなのでしょうか。
虫歯には「急性の虫歯」と「慢性の虫歯」があります。
急性の虫歯は子供や若い方に多く、虫歯の進行が速いので痛みが出やすいです。
一方、慢性の虫歯は大人に多く、虫歯が数年かけて進行するため痛みを感じにくいといわれています。
一度治療した歯が再び虫歯になる「二次う蝕」も、詰め物の下で虫歯がゆっくりと進行するため自覚症状が出にくいことが特徴です。
また、虫歯が大きく神経まで達してしまった場合は、歯の神経が死んでしまって痛みが出なくなることもあります。
このように虫歯なのに痛みが出ない場合もあり、痛みがないから治療の必要がないというわけではないのです。
虫歯の治療後に痛みが出るのはなぜ?
虫歯の治療後に痛みが出る一番の原因は「虫歯が大きかった」ことです。
虫歯が大きいほど神経まで近くなり、虫歯を取り残さないように深く削る必要があります。
さらに、歯を削る際の摩擦熱によって神経が一時的に刺激を受けます。(歯髄充血)
その後、歯が刺激から守ろうとして「第二象牙質」という新たな象牙質ができること
で痛みがなくなっていきます。
第二象牙質とは
第二象牙質は、歯が神経を守るための防御反応です。
歯が壁のような新しい象牙質を作り、刺激から守ろうとします。
この第二象牙質が作られることで、治療後の痛みが時間と共に落ち着いてくるのです。
第二象牙質ができる期間は、第二象牙質ができる期間は、22週間から週間から33か月くらいといわれていますが、虫歯が大きいほど時か月くらいといわれていますが、虫歯が大きいほど時間がかかり、個人差もあります。間がかかり、個人差もあります。
詰め物を入れたのに歯が痛いのはなぜ?
虫歯を取って詰め物を入れたのにも関わらず歯が痛い原因は2つ考えられます。
詰め物の高さが合っていない
噛んだ時に痛みがあるといった場合には、詰め物の高さが合っていない可能性があります。
判断基準は、咬み合わせた時に詰めた歯が最初にぶつかる場合です。
咬み合わせが合わない場合は、決して慣れるものではなくそのままにしておくと痛みが悪化する可能性や、頭痛の原因にもなります。
歯科医師に相談して咬み合わせを調整してもらいましょう。
金属の熱
詰め物が銀歯など金属の場合は、冷たいものや熱いものでしみる場合があります。
これは金属が熱などの温度の刺激を歯に伝えやすいためです。
第二象牙質ができることで徐々に落ち着いてきますが、痛みが悪化するなどといった場合は歯科医師に相談しましょう。
歯の神経治療後に痛みが出るのはなぜ?
虫歯が大きく、残念ながら神経をとらなければならない場合は、歯の神経治療が必要となります。
歯の神経治療後に痛みが出るのは、神経への感染が大きかったり、炎症が強かったりということが原因です。
痛み止めが処方されることもありますが、治療を繰り返していくうちに痛みは治ります。
痛くなかった歯が治療して痛くなる原因はさまざまですが、そのほとんどは一時的なものです。
神経がある歯の場合は、第二象牙質という新たな象牙質ができることによって、痛みは徐々に落ち着きます。
詰め物の高さが合っていない、痛みがひどくなり日常生活に支障が出るほどの痛みの場合は、歯科医師にご相談ください。